2018/05/24 00:00

 【 見積に関すること 】

Q 電話 や メール で 修理代金 が何故わからないの?

A 対象品の製法(作り方)や材料(素材・部品)が解らなければ、修理方法、修理部品、材料に何を選択すればよいのか解りません。壊れてしまった部分を修理するために、「どこから、どの部分までの」分解作業を必要とするか。「壊れた部分だけで」修復すれば良いのか?判断できません。材料に関しても、貴金属 と 卑金属、本革 と 合成皮革 では費用も加工方法も全く異なります。必要とする材料が流通製品なのか?流用材料があるのか?ハンドメイドの1点もの制作が必要なのか?を順序立てて調べる必要があります。

更にブランド毎の製法、仕上処理も違うので、「 修理代は此のくらいです 」と、安易な料金案内をすると、現品確認の際に「全く料金が違う」という事態になります。

必ず対象現品の確認作業を行い、「 破損部位、製法、材料、修復方法 」を把握し、「 作業時間、材料費 」を算定し、見積書を確定します。「 見積 」は対象品が無ければ絶対にできません。対象品が無く代金を伝えるのは「 概算 」です。概算金額は現品確認後、変動の可能性が高く、変動してもクレームは言えません。また「 見積 」は修復代金を算出するだけではなく、対象品が綺麗に直るのか?どの様な仕上がりになるのか?の算定を絞って案内するのです。修理代金と仕上予測上を聞いて「 修理する?しない! 」の判断材料となるわけです。

ですので、現品をしっかり提示して見積金額を書面化してもらいましょう。こうする事でのちに代金変動は発生しません。しかし、見積契約で料金変動の了承を行っている場合はクレームを言えません。

 


Q キャンセル をするとなぜ キャンセル費用 が発生するのか?

A 見積書の作成は費用が発生します。「人件費」です

「 見積はタダじゃないの?」では、依頼人であるあなたの業務が「 今日は売上がなかったので、今日の給料は無しね(笑) 」と雇い主から言われたら「はい、解りました」と了承できる。と言う事でしょうか...(この日はタダ働きです)

請負業務 はその業種の専門家が、長い年月を費やし習得した見識を用い、また、必要な材料等の調査を行い金額を決定します。「 コレコレの金額出して欲しい 」と依頼すれば、その仕事をするために「どれだけの金額が掛かるか」を調査し見積書を作ります。この作成する時間給が 見積算出料金 となります。見積無料で案内している会社や商店は、自社負担しているので、見積を出した人の給与は会社やお店が出します。見積無料の場合は、キャンセルされない業種か、他人の料金に上乗せするので料金が高かったりします。

「 見積して欲しい 」は相談ではなく、「 商談 」です。専門家が習得した技術・見識・調査により 金額を決定・案内しています。弁護士さん・お医者さんに相談すると 相談料・診察料金 を支払います。それと同じ事です。国家資格を持つ業種ですから、短時間で高額料金となるのです。現在、職人に国家資格はありませんが(一部あり)、今後、マイスター制度を作る・広げるという話は出ていますが、どうなのでしょう...(免許と技術は比例しません)

 


【 費用につて 】

Q 修理代金はなぜ高いのか?

A 製造 と 修理 は作業工程数が違います

製造(量産)は用意された材料を順番に組んでゆく「 組立工程 」のみです。修理 は破損した部分を取外し可能な状態まで分解作業を行い、取外部品を修復処理(又は、交換、制作)し、再組立をします。

モノを直すと言うことは 「 理解 + 分解 + 修復 + 再組立 」の4つの工程を行います。「 修復 」の工程は様々な加工工程が発生します。部品修復、部品交換、等、モノによっては全ての工程が25工程以上のアイテムもあります。修復代金 は 販売価格 に対して設定されるものではありません。対象品を修復するための「 作業時間 」と「 材料費 」です。作業時間が多ければ料金が増します。

同一構造品(デザインが全く同じ) は同じ作業を行うので、同じ料金と言うことになります。変わるのは材料費です。1000万円のブランド・アイテムも、1000円のコピー品アイテムも、同じ構造、同じ破損内容であれば、同じ工賃になるという事です。(ブランド名で修復をつけているお店は金額差がでます)